働き方の拡がりがもたらすワーカーの意識や行動への変化を、 ペルソナ別目線のショートストーリーにして紹介いたします。
09 オフィス機能を備えた家
テレワークの設備を整えた家でライフもワークも追求する
キャリアを中断することなく、家族との時間も大切にする。働きながら新しいテーマにも挑戦する。そんな経験が、これからの仕事でも大きな糧になる。
STORY25:自宅でキャリアと子育てを両立
gender:女性
age:33歳
occupation:総務部主任
会社への電話連絡を終え、ベビーベッドに目をやると、子供が気持ちよさそうに寝息を立てている。テレワークを始めてから、時間に追われるような感覚なしに、安心して、じっくり仕事に取り組めるようになった。通勤の必要がないため、家族との時間に加え、自己研鑽の時間も前よりとれるようになった。仕事を続け、スキルアップもできるのは本当に有り難い。夕食の準備に取りかかる前に、週一日の出勤日である明日の準備を済ませてしまおう。
STORY26:地域のボランティアで視野が広がる
gender:男性
age:42歳
occupation:法務部副部長
毎週木曜日は、朝と夕方、地元の小学校の通学路に立って登下校を見守るボランティア活動をしている。朝、子供たちを見送った後は、在宅勤務制度を利用して自宅で働き、下校時刻になったら再び通学路へ。子供の笑顔に元気をもらいながら、平日の我が街の様子もさりげなく観察している。ボランティア仲間との会話からも得ることは多い。仕事をしながら地域と関わることで、視野も広がった気がする。
STORY27:在宅勤務と副業制度で広がるキャリア
gender:男性
age:55歳
occupation:人事担当役員
会社の在宅勤務制度と副業制度をうまく活用し、地域の外国人に対する日本語講座の講師を週に二日務めている。海外赴任が長かったものの英語は使っていないと忘れてしまうため、社会貢献や副業だけでなく自己研鑽という側面からも、今後の自分のキャリア形成にもきっと大きなプラスになるだろう。活動日は、教室の時間まで自宅でテレワーク。書斎での作業は、業務によっては会社よりずっと効率がいい。
10 外部との接点を生むシェア・サテライト
シェア・サテライトの活用でもっとさらに自由自在に
家、会社、そして新たな出会いを創出する第三の居場所。その活用は「ほかにないから」ではなく、「ここにしかない価値があるから」と積極的な理由になる
STORY28:仕事に自分に。時間が無駄なく活用できる
gender:男性
age:40歳
occupation:企画開発部プロジェクトリーダー
さまざまな分野のプロフェッショナルが多く関わるこのプロジェクトでは、会社が経営する社外のコワーキングスペースで会議を行うことが多い。周りを気にせず発言することができ、結果的に有意義な議論が期待できるからだ。今日も大いに盛り上がり、予定より一時間も早く会議が終わった。仕事は順調だが、最近はお腹回りが気になる。せっかくだからこの一時間は、フィットネスジムで汗を流す時間に使わせてもらおう。
STORY29:積極的な外部交流で仕事の幅が拡大
gender:男性
age:38歳
occupation:フリーランサー
〇会社のプロジェクトに参加している関係で、このシェアオフィスを紹介してもらい、週三日、個人オフィスとして利用させてもらっている。月に二回交流イベントがあり、スタッフが積極的にマッチングをはかってくれたおかげで、新規の仕事にもつながった。普段の業務では出会えない人たちとの体験の共有から生まれる交流は、新しい知見と刺激にあふれ、仕事の幅が拡がっていると感じている。
STORY30:若手に“探索”できる能力を磨いてほしい
gender:女性
age:50歳
occupation:人事担当役員
「これからのビジネスでは“深耕”だけでなく“探索”も求められる」。先日参加したセミナーで登壇者が力説したこの一節に、大きくうなずきながら聞き入っていた。自社を顧みると、やはりまだまだ深耕の側面が強い。でも目まぐるしく変化する今の時代を生き抜くために、探索する力は必須の能力だ。だから若手を中心に、色々な人が集まるコワーキングスペースを積極的に活用させている。そこで自ら探索できる力を身につけてほしい。
11 オフィスとして活用できる街中
カフェ、ホテル、カラオケと、どこで働くかは自分次第
「仕事はオフィスで」という固定概念は、もはや過去のもの。「いたるところがオフィスになる」がスタンダードに。
STORY31:状況に応じた“街中のオフィス”を選択
gender:男性
age:30歳
occupation:企画開発チームリーダー
顧客への提案の帰り道。少々ややこしくなった今後の対応についてじっくり話し合いたいが、社内に帰ると別案件への対応に追われる気がする。そのとき、ホテルの前を通りかかり、エントランスをくぐった。高い天井、ゆったりとしたスペース、高級感のあるソファ。自然と気持ちがリラックスしてくる。会社なら半日かかるような情報の整理が、一杯目のコーヒーが冷めないうちに終わっていた。
STORY32:会議と食事のシームレス化で発想も豊かに
gender:男性
age:35歳
occupation:編集部中堅スタッフ
最近、会議がマンネリ化してきた。結論にたどり着くまでのプロセスがパターン化しているからか、以前のような斬新な発想が生まれていない。「思い切って環境を変えてみよう」。そう提案し、ペンやホワイトボードが用意されている居酒屋にメンバーたちを連れ出した。ダメ元ではあったが、気づけば議論が活発に。そこで久しぶりにユニークなアイデアが飛び出したのは、偶然ではないだろう。次はどこで開催しようか。
STORY33:すきま時間も有効的に
gender:男性
age:44歳
occupation:営業課長
セミナー受講後に、コンビニのイートインで家族と待ち合わせ。落ち合うまでの時間を利用して、セミナーのレポートをまとめ上げる。働く場が会社に限定されていた以前なら、今ごろはまだ会社へ向かう電車の中で、その移動に疲れて結局レポートは翌日に後回し。それが今やセミナー終了後から一時間弱でほぼ完成となった。遠くに妻と子供の姿が見えてきたから、ここからは家族の時間。近くのホテルで少し豪華なランチにする予定だ。
12 心身の健康と生産性を両立した次世代工場
スマートファクトリーでやる気も生産性もUP!
先端技術をフル活用した次世代工場では、生産性の向上に加え、コミュニケーションが活発になり発想も豊かに。心身の健康への配慮も行き届き、ワーカーもイキイキと働くようになる。
STORY34:部門間連携の強化で生産性と発想力が向上
gender:男性
age:48歳
occupation:第三工場長
製造コストを抑え、生産スピードを上げ、顧客にとってより良い製品の開発につなげる。こうした企業間の競争の激化に対応するため、いまや部門を超えた連携は不可欠になった。それを支えているのは次世代通信だ。他拠点にいる企画・物流・仕入れのメンバーらとのリアルタイムコミュニケーションが実現。視点の違う他部署との密なやり取りで斬新なアイデアが生まれやすくなり、新製品開発にも役立っている。
STORY35:工場全体が会議の場に
gender:男性
age:37歳
occupation:生産管理部チームリーダー
工場の業務の流れに問題がないか確認をする。今は全体を見える化した工場ではトラブルなどの原因の特定が容易になった。全体を見える化した工場では、ラインの状況がどこにいても確認できる。だから会議も時間と場所を選ばない。移動中もカフェテリアも、あらゆる場所とシーンがコミュニケーションの舞台に。豊かな対話環境下で活躍するワーカーにより、工場の活気は飛躍的に上がった。
STORY36:鮮やかな緑が心身を活性化させる
gender:男性
age:24歳
occupation:生産ライン担当
「何かミスはしていないだろうか?」。自分のちょっとした見落としがラインの全体に影響するだけでなく、ものによっては、工場全体の生産性や会社の信用の問題などにも発展しかねない。そう思うと、気持ちは落ち着かなくなる。そんなとき、最近は無意識に緑を探している自分がいる。今日は柱を覆う緑を見つけた。室内の緑をみていると、次第に気持ちが楽になる。緑化の効果か自分が成長しているのか。ミスは少しずつ減っている。
13 拠点としてより身近な選択肢となる地方
地方で暮らし、働いて得た新たな視点を仕事に活かす
自然のなかで自分を見つめ、地域や家族との関わりをとらえ直し、新たな視点で仕事に向かう。そんな貴重な体験こそが、これからの人生を輝かせる。
STORY37:自然からインスピレーションを得る
gender:女性
age:29歳
occupation:開発部SE
会社の移住制度を利用し、豊かな自然が残るこの地に家族で引っ越してきた。「子育てをするなら緑に囲まれた場所で」というのが以前からの夫婦の希望。開放的な環境の中で過ごしていると考え方も柔軟になり、森の中を散歩するとアイデアもスムーズに出てくる。大人、子供を問わずにパワーをもらえるのが自然のすごいところ。今後は子供と一緒に地域の自然保護活動にも参加していきたいと思っている。
STORY38:地方のニーズは現地でつかむ
gender:男性
age:33歳
occupation:企画部第一チームリーダー
波乗りは十年以上続けてきた大切な趣味。そんな自分にとって、今の仕事環境は最高だ。海が見える家に住み、朝の波に乗ってから、ワークスペースとして活用している公民館や市役所、図書館などに向かう。地方の公共施設は憩いの場であり、そこにいるだけで地元民とも親しくなれる。地方で暮らし、地方で働き、地方に根づく。おかげでこの土地の感覚やニーズがつかめてきた。そろそろ新サービスの企画に落とし込んでみよう。
STORY39:地方と都市の視点から企画を磨く
gender:男性
age:42歳
occupation:企画部新規事業担当
居場所が変われば視点も変わる。地方でのテレワークを開始して、そのことを実感した。今日は二カ月に一度の本社会議の日だ。東京を離れ、自然あふれる地方でまとめてきた企画数本をチームに提案。議論しながらブラッシュアップしていく。この会議は、新入社員に対して、地方の現状や最新テレワーク事情について伝える機会でもある。今回は地元産の野菜を用意。オフィスのキッチンで調理してみんなに振る舞った。
ともに働き方の拡がりを
すべてのワーカーとすべての企業にとって理想的なワークスタイルとは何か ──。
かつて「ワーカーの “ 人 ” としてのしあわせの実現」と
「企業のビジネスの成功」は両立が難しいものとされていました。
その双方を実現するのが「人と企業のあり方」のデザインです。
新しい関係性は、 人の働く時間と場所、こころの拡がりから生まれる新しい価値観により
オフィスだけでなく、街や都市、時間のデザインへと拡がっていきます。
多様性に富んだ働き方の拡がりは、ワーカーの生産性や創造性を拡大し、
結果として企業の成長性にも結びつきます。
この BOOK を読んで少しでも興味をお持ちいただけましたら、
我々とともに、それぞれの人と企業の関係にあった「働き方」を、
築き上げていきませんか?
※掲載されている情報は「WORK STYLE MAP」(2019年12月発行)より