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シラバスの内容からデータサイエンススキルを可視化する方式を共同開発

overview

データサイエンス教育に特化した「履修授業における取得スキルの可視化方式」を武蔵野大学データサイエンス学部Trans Media Tech Lab(中西・岡田研究室)と共同開発。
本方式は、文部科学省が定める大学におけるデータサイエンス教育に関するスキルセットと、データサイエンス各教科のシラバスに記載された内容を、エンべディング技術を活用して照合し、履修授業による獲得スキルを分かりやすく見える化する。

今回開発した「履修授業における取得スキルの可視化方式」は、データサイエンス各教科のシラバスに記載された内容と、文部科学省が定める「大学におけるデータサイエンス教育に関するスキルセット」とを照合させ、各教科から取得が期待できるスキルを把握することができるものである。

◆利用シーン(学生)

―変化する就職活動のスタイルに対応

近年、働き方が多様化する中、就職活動のスタイルも変化し、従来の学歴採用に依存せず、実務経験や専門スキルを重視する企業が増加している。就職活動では、ポートフォリオ等による書類審査や面接による審査が行われるなど、学生によるスキルの言語化の重要度も増しているが、学生の話す自身のスキルのレベル感と聞き手である面接官や採用担当の理解に差異があることから、適切にアピールすることが難しく、採用にミスマッチが生じることが課題となっている。

今回我々が提案するシステムシステムを活用することで、自身のスキルをレーダーチャートとして可視化、獲得したスキルのバランスを見ることができ、自身のスキルへの理解を深めることが可能となる。

シーン① 年間の成績が確定した際に、その年の履修状況によるレーダーチャートを参考にし、自身の興味の傾向や、不足しているスキルを把握する。
シーン② スキル一覧で未取得のスキルを確認し、そのスキルが獲得できる授業候補が表示される機能を活用して次の履修科目を検討する。
シーン③ 就職活動時に、大学の授業で何を学びどのようなスキルが身に着いたかをレーダーチャートを参考に確認する。自身の身に着いたスキルや興味がある分野を理解し、企業選びや面接時に活用する。

◆利用シーン(学校及び教員)

―学科カリキュラムの把握・改善

各授業のシラバスから「授業で学べるスキル」を可視化。学科全体としても、修得できるスキルをまとめて表示することで、必要な学習項目が網羅されているかを確認し、カリキュラム全体の構成を把握・改善する。

◆担当教員 岡田助教によるプロジェクト概要

本研究は、学生が大学の授業で学んでいることを学生自身がアピールするために、対外的にも理解できるスキルとして表現するにはどうしたら良いのかという問題意識からスタートしました。例えば就活の機会をイメージすると、企業の担当者は大学の授業名を見ても、用語が統一されていないので、何をやっているのか理解するのは難しいと考えられます。

今回はそれをエンベディング(Embedding:埋め込み表現)技術を用いて解決しています。これは現在コンピュータサイエンスの分野では広く用いられている手法で、通常のテキストのパターンマッチでは用語が揃っていないと対応関係を見つけられないような場合でも、用語同士の関連性を計算することができます。今回は本学のデータサイエンス学科のシラバスにおける各授業科目と、文部科学省が定める「大学におけるデータサイエンス教育に関するスキルセット」の各項目との対応関係を求めて、授業と一般的なスキル名を結びつけることを目指しました。その結果、例えば私の担当する「データと数理II」という授業はプログラミングでグラフを描きながら微積分について学ぶ授業なのですが、その授業に関連するスキルとして「微積分演習」、「基本的な数値積分の手法」、「プログラミング」という用語が上位に並ぶなど、イメージ通りの結果を得ることができました。

学生を交えてディスカッションを重ねていく中で、まずは学生が自身のスキルを把握してアピールポイントとして認識していくことを促すシステムになると良いと考えました。そのため、授業ごとにそこで獲得できるスキル名が表示されますが、それはあくまで候補としてサジェストしており、それを学生自身が「これを学んだ」と自分で選んでいくシステムという形にまとめました。

また、教員側の視点としては、学科全体の学習項目として必要なものを網羅しているのかをチェックするためのシステムとしても使えるのではないかと考えました。各授業のシラバスにおいて「この授業ではこれを学んでいる」ということを一つ一つチェックしていくと、学科全体としては何のスキルが得られるのかということをまとめて示すことができます。そうすることで学科のカリキュラムの全体像を把握し改善することができると考えています。

ユーザーインターフェイス画面
作成:武蔵野大学データサイエンス学部データサイエンス学科 3年 吉井茜音/2年 小椋佳歩

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