2023年9月4日(月)~15日(金)に武蔵野大学データサイエンス学部中西 崇文准教授、岡田 龍太郎助教とインターンシッププログラムとして産学連携授業を同学部で実施し、ディスカッション能力やプレゼンテーション能力、分析能力といった定量的に図りにくい非認知能力を、同学と共同開発した学習成果証明システムを利用し評価しました。また、その評価を証明する学習成果証明書をNFTにて12月14日(木)に共同発行しました。これにより、就職活動やインターンシップ活動で必須とされている「学チカ」すなわち「学生時代に力を入れたこと」を始め、学生がアピールしづらかった客観的な自身の非認知能力を、外部へ証明することができます。
産学連携授業について
産学連携授業は、教育DXをテーマに、同校とイトーキが共同研究で開発した「グループワーク分析システム」をよりブラッシュアップするために、自然言語生成AI機能の追加実装を検討するサービス企画立案に取り組むプログラムで、45時間の学習で1単位が取得できます。今年で3回目の開催となり、大学3年生5名が主にオンラインで参加しました。また、本インターンシップの評価は同学と共同開発した学習成果証明システムを活用しました。
学習成果証明システムについて
学習成果証明システムを活用することで、質的評価と量的評価の両軸で非認知能力の評価が可能となります。質的評価は、学生間の他己評価と教員やイトーキメンバーによる管理者評価から算定し、量的評価は、学生の発話時間や授業中の作業時間を記録し自動集計しました。評価項目は、武蔵野大学独自の学びのサイクルである「響学スパイラル」に基づき、課題発見・目標設定能力、ディスカッション能力、クリエイティブ能力、プレゼンテーション能力、評価・分析能力の5つとしました
グループワーク分析システムについて
量的評価には、グループワーク中の録画・録音データを分析する「グループワーク分析システム」を活用し、発話量や盛り上がりの推移などが抽出できます。このシステムは、グループワークの非認知能力の評価において、採点者の主観に頼っていた問題を解決するために、同学とイトーキが共同研究で開発したものです。
NFT技術の活用方法
最終的な5つの評価項目の内、得点の高い項目については評価した能力を担保するために、NFTによる学習成果証明書を発行しました。NFTとは、Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略称で、ブロックチェーン技術を用いて改ざん不可かつ所有権の証明ができるトークンのことを指します。活用方法としては、例えば就職活動で非認知能力を自己アピールする際、本証明書を提出することで、スキル証明が可能になります。また、NFTによる証明になることから、唯一無二の価値を担保することができます。発行するNFTのデザインは、響学スパイラルの4つの学びのステップのカラーをイメージしてデザインしました。
NFTによる学習成果証明書を発行したことによる効果
NFTによる証明書を受け取った学生からは、自分の能力を証明する先進的な手段であるというコメントをいただけました。また、共同開発を行った中西准教授からは、本学が提唱する「響学スパイラル」に基づくグループワークの可視化や振り返りシステム、学生のスキルや知識をNFTで認証し、公開・アピールする仕組みの研究が実用化に向けて進展したことを嬉しく思うと、コメントをいただけました。
- イトーキ 小澤コメント -
産学連携授業において、学習の成果を記録するとともに、学チカの証明として有効活用できるよう、NTF技術も成果の記録に取り込みました。
今回は、グループワーク分析システムを活用して学習履歴の情報を抽出し、そこに定性的な評価を付け加えることで学習成果としましたが、今後はAI技術をさらに活用して、記録の自動化や評価のサポートまで行われる未来がくると考えています。実は、この記事の原稿もイトーキのプレスリリースを参照して生成AIに作成してもらいました。
AIやNFT(ブロックチェーン)技術を上手に活用することで、よりオフィスやキャンパスのDXは加速していくことでしょう。5年、10年後のあたりまえの土台を作れるよう、今後も技術の開拓と実践にチャレンジしたいと思います。