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たとえば2030年、 私たちはどんな風に働いているだろう。

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IoTやAI、ロボットは、人類の働く場にどんな変化をもたらすのか。働く人たちはどう変わるのか。あるいは、もっとその先にはどんな変革が私たちを待ち受けているのか。そんな10年先、20年先の“働く”に思考を巡らせる者たちがいる。ワークスタイル研究所・田中もその1人だ。今回は田中の頭のなかをのぞいてみたいと思う。

田中 勇一

先端研究統括部 ワークスタイル研究所

新卒で菓子メーカーへ入社。業務の傍ら美大の夜間部に通い、プロダクトデザイン・デザイン戦略を学ぶ。
その後デザインコンサルティング会社を経て、「“体験”をデザインする」仕事に強い関心を抱き、2015年イトーキへ。現在、ワークスタイル研究所にて、未来の働き方や働く環境に思考を巡らせる日々を送る。

未来は想像した瞬間にはじまる

「初めは、数ある家具メーカーの一つだと思っていたんです。でもまったく違った。良質でオリジナリティのあるものづくりは間違いなく絶大なる強みですが、加えて、家具という概念にも何にもとらわれず、新しいことを模索し実現していこうという気概と具体的な動きがこの会社にはありました」。

先端研究統括部ワークスタイル研究所 研究員 田中。デザインコンサルティング会社で、様々な分野の企業・自治体のデザインプロデュースやコンサルティング業務を経てイトーキへやって来た。
イトーキの研究部門では、素材開発やイスの座り心地、VRといった新技術の研究と活用の検討を行うだけでなく未来の働き方そのものを考えるチームがある。田中が所属する、ワークスタイル研究所だ。自身の仕事を田中はこう話す。

「AI、IoT、ロボティクスなど、今、世の中では実に多様な技術革新が起こっています。私は、そうした革新をどう活用し事業化すれば、人々の働き方や職場環境をより良くできるか、変革できるかという研究に従事しています。具体的には、未来にあるべきオフィス像の模索にはじまり、AI活用などによる会議の効率化、スマートオフィスの研究・事業化などです」。

この国の働き方改革の“本丸”。 会議効率化へ向けて

田中の研究領域は多岐にわたる。その一つ、“未来の会議のあり方への模索”の一端を見ていこう。働き方改革が叫ばれる昨今、「日本の会議は長過ぎる、非効率だ」という声が社会全体には広がっている。日本の行く末を左右するとも言える“会議の効率化実現”に、田中らは大学研究所と協働で様々なアプローチを仕掛けている。

たとえば、社内外の様々な会議を録音し、 会議の状態遷移の可視化、トピック遷移の可視化などの会議文脈構造の分析を行っている。さらに、どんなキーワードが会議の突破口になったか、どんな立場の人間がどれだけ話したか、会議の流れを停滞させる心理・状況とは何かなどを、交わされた会話から解析。会議に蔓延する課題をつきとめ、AIなどの的確な活用方法へ昇華させようとしている。これは、有能なAIファシリテーターの実用化や人材マネジメント、「HR」(Human Resource)分野にもつながる研究だ。研究を通じ発表された論文は国際会議で優秀論文に採択されたほか、複数の民間企業から「共同研究や研究成果を実証してみたい」という引き合いもいただくほどの成果を見せている。

このように研究所では、事業化を見据えた多様な研究開発が進められている。「将来イトーキは今とはまったく違った一面を持つ会社になっているはずです。今後は様々な会社と競合する可能性がありますし、今まで接点のなかった企業と協働するというケースも増えていくかもしれません。そうなったときに、リアルな空間とデジタル空間を行き来する知見や技術を持っていることは、イトーキの強烈な強みでありユニークさ。それを活かし、異業種の企業と協働で新しい働き方を支えるプラットフォームを構築するといったことも叶えられたらと思っています 」。

自らを変え続けることで、 社会の変革に寄与し続ける

「生き物もそうかもしれませんが、やはり、変化しない会社は淘汰されていきます。その点、イトーキという会社は創業から、“世の中にないイノベーション”を追求し続けてきました。変化や革新はお家芸でもある。これからも、自分たちにしかない強みを強化しながら、進化を果たしていくはずです」。

変化を恐れず、過去の慣習や固定観念にも縛られない。その思想がイトーキを強くし、未来に届ける社会変革の源泉にもなっているのだろう。田中は最後にこう話してくれた。

「10年後、20年後のオフィスは、その概念から大きく変わっていると思います。それに対して私たちは、価値ある提案を世の中にし続けていられる企業でありたいし、自分自身もそうした仕事を重ねていきたい。そのためには、新卒の皆さんやいろいろなバックボーンを持つ人がイトーキやこのワークスタイル研究所に集まることで化学反応を起こし続けていくことが大切です。様々な人が集まれば、また新しい面白いことが起きるはずですから」。

※所属部署・役職は取材当時のものとなります


未来の働くを考える先端研究統括部では、
近未来シナリオ『未来人の働き方 2025』も発表。
未来の働き方とは? 未来のオフィスとは? 未来のツールとは?
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