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Google Cloud×イトーキから生まれるオフィスの新たな形と価値とは?

overview

イトーキは 2022年に、 Google Cloudと新商品開発およびAIによるデータ分析・活用の領域における取り組みに関するJBP(ジョイントビジネスプラン)に合意した。以後、Google Cloudのチームやパートナー企業と連携し、スマートオフィスコンセプトを体現する新たな製品やサービス開発に取り組んでいる。その一環として、クラウド型組織サーベイ「Performance Trail」や、働きを可視化するアプリケーション「Workers Trail」など、人やオフィスの生産性・活動・稼働のデータを集約し、オフィスの構築と運用に活用する新たなサービス「ITOKI OFFICE A / BI」を提供。顧客の労働環境に対する期待を具現化するための提案力強化と商品・サービスの拡充を図っている。

後編では、イトーキのソリューション開発部長の藤田と、Google Cloudの遠山氏、千川氏、廣瀬氏が、これからのオフィスと働き方について語り合った。

大切なのは、技術を使って価値を生み出すこと 

――改めてプロフィールと現在、取り組まれていることについて教えてください。 

イトーキ 藤田(以下、藤田) 
イトーキのスマートオフィス商品開発本部 ソリューション開発部に所属しています。空間デザイナー、設計者として2003年にイトーキに入社。オフィス作りのプロジェクトマネージャーやオフィスの設計要件を考えるコンサルを経て、21年からスマートオフィス商品開発本部に移りました。

Google Cloud 遠山(以下、遠山) 
私はGoogle Cloudでカスタマーエンジニアとして、大手企業からスタートアップまであらゆる顧客のビジネス課題をヒアリングし、解決のための支援を行っています。例えばインフラ基盤をクラウドに移行したり、アプリケーション開発やAIでデータを分析したりなど、我々の技術を幅広く提供しています。23年は「生成AI」というキーワードが注目されましたが、我々も生成AIに関わる仕事が増えています。

Google Cloud 千川(以下、千川) 
私もカスタマーエンジニアとして、データ分析や機械学習のソリューションに携わっています。イトーキさんとは22年度から開始した、Google CloudのAI製品を活用したデータ分析サービス「ITOKI OFFICE A / BI」の構築において、ダッシュボードや他のサービスと親和性のあるデザインの統一などを支援しました。

Google Cloud 廣瀬(以下、廣瀬) 
私はシニアアカウントエグゼクティブとして、企業の総合窓口となり、企業のDX推進を担当する藤田さんのような方々と定期的に面会して、顧客のニーズや実現したいことを理解し、遠山さんや千川さんのような素晴らしいエンジニア、他のスペシャリストと連携して適切な体制を作ることで、顧客支援をリードしています。

――藤田さんは空間デザイナー、オフィス作りのプロマネを経験されて、今はデジタル関連の部署を担当しています。異動されたばかりの頃は、最新技術をキャッチアップするのは難しかったのではないでしょうか。

藤田 
私自身が勉強し続けるのはもちろんのこと、新しいスキルや知見を持ち込んでくれるメンバーがたくさん参加してくれているので、それらの情報が相互に共有しやすいチーム作りも重要だと感じています。空間設計だけでなく、働き方やオフィス環境そのものの相談に乗ってほしいという要望があってコンサルとなり、データドリブンで考えたいという要望があって今の仕事に繋がっている。なので、新しいことを先頭に立って実現しているというよりも、むしろ顧客が我々を引っ張ってくださっているように感じています。その際に、Google Cloudさんのようなパートナーと組むことで、当社だけではできない新たなビジネスにチャレンジしています。

――そこに顧客が加わってトライアングルで進めることによって、新しい価値が生まれていくということですね。

遠山 
そうですね。我々も培ってきた技術を単に提供するだけではバリューは生まれないと考え、顧客とのミーティングでは技術の話から入るのではなく、まずはビジネスにおいてどんな課題を抱えているのか、ビジネスモデルとその中で生まれるユースケースはどういうものかを伺った上で、ソリューションを提案しています。我々が提供する技術は、あくまで顧客のビジネス課題を解決するためのものであり、だから価値があると考えています。

イトーキ 藤田

急激に変化するオフィス環境の鍵を握るのは“データ”  

――イトーキは、ITやDX推進による働き方改革「オフィス3.0」に取り組んでいます。その強みや難しさとはどんなことでしょうか。

藤田 
人の採用や定着に繋げたり、新しい企業文化を醸成したり、オフィスにはさまざまな可能性があります。しかし、働く場所の選択肢が広がり、企業間あるいは社内での人の流動性も高まることで、オフィス空間のあり方と働く人のニーズがどんどんずれていっている状況です。なので、一旦作ったオフィスはアップデートしていくことが大事で、そのためには働き方とオフィス環境をデータで見続けて、ずれていたら修正する必要があります。 
このようにデータを取り、分析して施策を提言し、実行するまで一気通貫でできる点が当社の強みです。但し顧客にとっては新しい取り組みのため、対応する組織や担当者がおらず、オフィスのマネジメントにデータを活用するトレンドを作らないといけないのが難しいところですね。

――「オフィス3.0」について、Google Cloudさんはどんなふうに支援しているのでしょうか。

千川 
Web上での行動は「Google アナリティクス」でトラッキングできるので、それをシームレスに活用できます。また、グループウェア「Google Workspace」では利用状況のデータを取り出せます。そういったオンライン上での行動データを収集するのは得意なのですが、物理的なオフィス空間での行動をトラッキングするのは、我々だけではサービスが提供できません。なので、イトーキさんと協業することで、オンラインとオフラインのデータを融合して分析する新たな取り組みができると思っています。

左 Google Cloud 千川氏  右 Google Cloud 遠山氏

「明日の『働く』を、デザインする。」を体現するサービスを開発

――Google Cloudさんと一緒にどんなことを実現していきたいですか。

藤田 
「ITOKI OFFICE A / BI」は、オフィス運用をサポートする「Workers Trail」「Performance Trail」などのアプリケーション、それらのデータを集約して活用するプラットフォームと、2月14日にはそれらを使ってコンサルティングする「Data Trekking」もリリースしました。今後も開発を続けていきますので、Google Cloudさんに支援を引き続きもらいたいですね。 

――Google Cloudさんは、今後、働き方はどんなふうに変わっていくと考えていますか。

廣瀬 
職場でのAI活用がどんどん進み、従業員が創造性のあるタスクに集中できるようになることで、働き方自体が変わり、健康の維持にも繋がると考えています。また、職場におけるダイバーシティが進んで、アジャイルにチームを組むことで今までにないサービスが生まれてくると思います。そういったオフィスづくりを、イトーキさんと我々のテクノロジーを掛け合わせて実現できたらと思います。 
これからは、さまざまな世代やバックグラウンドを持つ従業員が自然にコミュニケーションできるオフィス空間の物理的な設計、テクノロジーを活用した繋がりを推進することで、部署の境目がないコラボレーションが進んでいくのではないでしょうか。

Google Cloud 廣瀬

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